日々何気なく暮らしていても危険はさまざまなところに潜んでいます。
 なかでも一番怖いのは交通事故。昨年(平成13年)の交通事故発生件数は全国で約95万件にものぼり、年々増加の一途をたどっています。
 こうした交通事故のほかさまざまな事故によって起きた外的要因による外傷のひとつとして、歯肉の損傷や歯牙欠損があります。これに対して、近年注目を浴びている治療法であるインプラント治療での機能回復が図られることが多くなってきました。
 インプラント治療とは、失った歯のところに自分の歯と同じようにしっかり根付いた新しい歯を取り戻すことができる治療法で、見た目も自然で優れた治療法といわれています。
 歯肉の損傷の場合、粘膜移植をすることにより、元々の色により近い歯茎になるとともに、それまでの口腔の状態を取り戻すことができます。
 ニコチンの摂取などが原因で歯茎が変色してしまった場合、さまざまな治療法がありますがそのひとつとして、フェノールアルコール法があります。これは表面麻酔のみで、痛みを感じることなく短時間でキレイな歯茎を手に入れることができる治療法です。



 また、さまざまな外的要因による歯牙欠損の場合の治療法として、これまでセラミックスクラウンやラミネートベニアを用いた治療法がありましたが、歯科治療で世界の一歩先を行くアメリカで注目を浴び、最近、日本にも入ってきた治療法としてダイレクトベニア法があります。
これは従来の保険内治療のレジン(プラスチック)よりもキレイで、硬く、物性がよいので変色しにくく磨耗しにくい、という特性があります。
 いわば、歯の欠けた部分に特殊な修復材をつぎ足す方法です。治療の順序としては、歯牙の欠損の度合いにもよりますが、多少歯を削ったのちに、エッチング(表面を少しだけ溶かす)をしてから、ボンディング(接着)をし、各層ごとにペースト状のレジンを積層させていくものです。
 この治療の最大の特徴は、その豊富なシェードセレクションにあります。口の中に見えている歯(歯冠)は、歯髄(神経)の周りにある象牙質とそれを覆うエナメル質の3つでできています。保険のきく白い詰め物は色のバリエーションも少ないので、色合わせは非常に難しいのですが、ダイレクトベニア法では、それぞれに幅広い色調と透明度を選ぶことができるので、審美性も高く自分に一番あった自然な白さを手に入れることができるのです。

 またマニキュアは一時的でもあり、ホワイトニングでも変色の原因によってはなかなか効果が得られないケースがありますが、その場合歯の表面を薄く削り、その上に透明感と光沢のあるダイレクトベニアを重ねて白い歯にすることも可能です。
 1日で仕上がるのも経済的といえるでしょう。ただし、耐久性という点ではセラミックよりやや劣ります。
笑うと奥歯の金歯や銀歯が気になる方や金属アレルギーの方、前歯の隙間や色が気になる方にはおすすめです。しかし、口腔内の状態や状況によっては、別の方法をとった方がよい場合もありますので、治療の際には歯科医の先生によく相談をしましょう。


用語解説

◆エナメル質
無色半透明だが深層の象牙質の色が透けて黄淡色(白)に見える。ほぼ純粋なハイドロキシアパタイトの結晶で細胞がないためにほとんど再生は期待できない。

◆象牙質
歯の主体となる組織で、70%の無機質(主にハイドロキシアパタイト)と20%の有機質(主にコラーゲン)、10%の水からなる組織。内側には歯髄が存在する。


小澤俊文院長
インプラント治療をはじめ、顎関節症や口腔外科治療、審美治療に精通し、口腔、アゴ、顔面までをトータルとしてとらえた治療を心がけている。