さまざまな分野において先端技術の研究・開発にはめざましいものがあります。歯科医療分野においても例外ではなく、近年技術革新は急速なテンポで進んでいます。
そして、従来型の治療に加えて、レーザーやインプラント・再生治療などが幅広く応用されるようになってきました。
 ここでは少し、これらの治療についてお話ししたいと思います。
※写真:患者さんは若い女性、前歯の歯肉が厚く、歯の長さが短く見えるので、コンプレックスを感じていました。ご希望により炭酸ガスレーザーで歯肉の形を整えました。治療時間は約10分で終了、2週間後には美しい色の歯肉がよみがえりました。
 さまざまな理由によって変色や変形した歯肉を審美治療する際には、審美歯周外科を行って歯肉の形を整えることがあります。
最近では、このような手術の一部は、炭酸ガスレーザーを使用して行われるようになってきました。レーザーを使用する場合、メスで切る手術と違って、出血も少なく、短時間で治療が終わります。また、術後の痛みも少ないのが特徴です。
 他にもレーザー治療は、虫歯の予防処置、歯の漂白、歯根の治療、インプラント手術など、さまざまな治療に応用されています。
 例えば歯周外科手術の場合、術後の痛み・歯の知覚過敏症・出血・腫れなどを押さえる役目に、レーザーをこの部分に照射することで、改善することもできます。現在、大学で基礎医学的研究も進められています。

前歯が完全に破折しています。抜歯してすぐにインプラントを埋入しました。4ヶ月後、インプラントにセラミックの歯が装着されました。
 ここ数年、インプラント(人工歯根)治療技術は非常に進んできました。インプラント治療のトレーニングを受けた専門医による治療成績は向上し、長期の成功率も安定しています。
 インプラントは、海外では歯を失った患者さんの治療としてすでに確立された方法となっています。アメリカでは既に歯学部の学生さんに対して、入れ歯の製作方法の実習を行わない大学もあるほどです。しかし、今までは噛めるようになること自体が、インプラント治療の目的とされてきました。
 しかし、セラミックスなど、審美的に自然な歯と同じようにみえる素材を使用する今では、インプラントによって治療された歯も、自然の歯と同じように美しく、自然な形に修復されるようになってきました。
 そのため、前歯も状況によっては、ご自分の歯と見分けがつかないように美しく修復されます。とくに先天的に(生まれつき)歯がない方、事故やけがで歯を失ってしまわれた方には朗報です。

先天的に上顎の前歯が2本なかった女性です。矯正専門医により歯を並べた後、インプラント治療を行いました。健康な歯を全く傷つけることなく、審美治療することができました。
 近年、より自然に美しい審美治療を行うために、歯周外科・インプラントなどの移植・再生手術が研究され、進歩してきました。そのため、歯周外科やインプラント治療は、審美と無関係ではありません。それぞれの特色を生かしながら、応用・研究され、さらなる技術が発展してきたのです。
 さらにここ数年では、再生医療技術を駆使して、失われた歯・歯肉・骨などを回復する試みが多くの研究者によって行われています。
足早に寄ってくる高齢化社会を前にして、今後、再生医療の研究・開発はますます進歩することでしょう。そして、歯科治療の将来は大きく変貌することでしょう。
※ご注意ください。個々の状況により、適応が異なります。詳しくは専門医にご相談されてください。

用語解説

◆炭酸ガスレーザー
手術をする場合、通常はメスで切開するが、炭酸ガスレーザーメス装置では特殊なレーザー光線によって切開を行う。レーザーメスでの手術は手術中の出血が非常に少なく、手術後の腫れも少なくすることが可能。また、レーザー出力を調整することやパルス照射することで、メスとしてだけではなくさまざまな治療に応用されている。

◆再生医療
遺伝子工学を駆使して人間の臓器を再生する療法。現在、様々な組織(歯、骨、歯肉など)を再生し、患者さんに応用する治療・研究が行われている。


久保田 敦院長
「高品質のインプラント治療をいかに低価格で患者さんに提供できるか」をテーマに、炭酸ガスレーザーの歯周病・インプラント治療への応用・研究をはじめ、インプラント治療期間の短縮化などに取り組んでいる。