1968年、アメリカの矯正専門医クラスミエールは、マウスピース・タイプの矯正装置をつけている患者の異変に気がつきました。歯肉に炎症が起きた患者に「Gly-oxide」という殺菌剤を矯正器具の内側に満たして装着させていました。すると、患者の歯がいつのまにか白くなっていました。この殺菌剤を漂白剤として臨床したのが、ホーム・ブリーチングのはじまりとか。


 日本での歯ブラシのルーツは、6世紀頃に仏教と一緒に大陸から入ってきた「歯木」(しぼく)と言われています。僧が口の中を清めるために使った楊子の一種で、曹洞宗の開祖の道元が約700年前に仏法を説いた「正法眼蔵」に、使い方が書かれています。江戸時代に、庶民に広まった“房楊枝”が今の歯ブラシの原点とも言われています。明治時代の初めには、西洋から歯ブラシが伝わってきました。現代風の歯ブラシが、日本で初めて製造、販売されたのは、明治5年(1872年)のこと。大阪の業者が鯨のひげの柄に、馬の毛を植えて、「鯨楊子」という名前で売り出しました。


 エジプトには、紀元前5世紀頃、歯科専門医(ヘシ・レ 歯を癒す医師の司)がいたことが記録に残っていますが、これ以前、紀元前2500年頃のものと推定される義歯らしきものがギザの墓場から1914年に発掘されています。現存する世界最古の補綴物です。