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近頃、矯正治療をしたために、かえって歯並びや身体のその他の部分が悪くなったという記事をみかけることがあります。無理な負担をかければ、残念ながらこういったことが起きてしまうこともあるのです。
無意識に「口元がステキだな」という人のレントゲン写真を撮ってみると、たいてい歯や歯茎の寿命という面から見ても理想的であることが多いのです。本来美と健康とは表裏一体。それが矯正治療のゴールといえます。ですから、前述の「見た目だけよくて健康的によくない」という矯正治療は専門医にはありえません。
また、患者さんの側も日本では、「歯は噛めればよい」という感覚の人がまだ多いような気がします。歯科医院で働いていると、若い頃そう思っていた代償として、加齢に伴い修復がかなり難しくなってしまった方々に日々お会いします。確かに、時代が時代だったために仕方がなかったのも事実でしょう。しかし今は、これだけ生活も豊かになり、技術も発展しているのですから、歯の健康や美容に対する意識も日々向上していくべきです。いくつになっても矯正治療はできますが、どうせならお口の中が作り物でいっぱいになる前に、そして歯茎の状態がそう悪くなる前に思い切って、矯正治療という自分に対する、いわゆる「投資」をしてみてはいかがでしょう? その後の加齢に伴う変化がまったく違ってきます。つまり「長く美しく、長く健康で」いられるわけです。

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●用語解説●
◆上顎前突
上の歯または上の顎が前に飛び出し過ぎているもの。いわゆる出っ歯の状態をいう。
◆下顎前突
反対咬合とも呼ばれ、いわゆる受け口の状態。下の歯または下の顎が前に出過ぎている状態をいう。
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欧米では、肥満や歯並びの悪さは仕事で昇進する際にもネックになるほどで、歯並びは履歴書同様にその人のバックグランドや自己管理の指標にされます。このような意識の差は、世界で働く機会が増えている日本人にとっても無視できません。これはなにも男性に限った話ではなく、社会で活躍する女性が増え続けている昨今では、まさに日本人全体の問題といえるでしょう。
日本の女性は、ひと昔前には口を押さえて笑うような、おしとやかな仕草が望まれました。しかし、社会の変化に伴い、女性が大きな口を開けて快活に笑うことは、欧米の映画の中の特別な光景ではなくなってきています。それなのに、他人に見られる肝心の口元に対する女性の意識は、これらに伴って向上してきているでしょうか? 答えはノーです。意外かも知れませんが、アジアの他の国の女性たちは「美容整形」に関してももっと積極的です。経済的にアジアのリーダー的存在である日本ですが、歯並びやフェイスラインなどにお金を使うということに関しては、アジアの中でも遅れをとっています。
その歯並びとフェイスラインには密接な関係があります。入れ歯をはずした人の口元が陥没することからもわかるように、鼻の下から顎にかけての形は歯が作っているのです。ですから、自分の顔の下半分にコンプレックスがある人は、まず矯正治療を考えてみるべきです。出っ歯のせいで突出した上唇が引っ込めば、相対的に鼻が高く見えることがあります。また、下の歯が極端に前に傾いているため、下唇から顎の先端までのラインが丸まってしまい、きれいな顎のとがったラインを一生人に見せることがない女性もいます。これらは、ほんの一例です。10人いれば10種類の悩みがあるでしょう。その人に合わせ、本来持っているキレイな横顔を引き出すこと、それも矯正治療の目的のひとつなのです。
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