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よく噛むことが消化を助けることは、皆さんご存じのはず。そして「健康」を手に入れられることも…。でもそれだけではないことを、これから話していきたいと思います。
意外と知られていないのが、実はよく噛むことによって「頭がよくなる!?」ということ。よく噛むということは、咀嚼筋と咬筋の運動によって大脳(脳細胞)を刺激します。また食事を口にすることによって、舌の味覚神経や臭覚などを刺激します。これらのことによって、大脳の広い領域に刺激がいきわたり、脳ホルモンの分泌や循環が活性化されるのです。そして、記憶や学習能力を促す視床下部や海馬を刺激する仕組みになっているのです。
例えば、スポーツ選手がガムを噛んで集中力を高めたり、また噛むことで頭をよく使うとボケにくいといわれています。歯の悪い高齢者、また入れ歯(義歯)を使わない高齢者は、老人性痴呆症になりやすいといわれ、噛むことと密接な関係があると考えられています。

近年、やわらかい食べ物が増えたため、食べ物をよく噛まなくなりました。その影響で、顎の骨が未発達となり、歯並びが悪くなったり、顎関節症の患者さんが増えているのは事実です。とくに、幼児期からやわらかい物ばかりを食べている人にはその危険性が高いといえるでしょう。
また、飲み物なしでは食事ができない子供たちが増えています。これは子供たちだけでなく若者でも、ハンバーガーショップなどでは、食べ物を清涼飲料水などで流し込んでいる人を多く見かけます。これは、よく噛まないことで唾液の分泌量が少なくなっているから、その代わりに飲み物で流し込んでいるのです。
人間の体の中で口の中は最も雑菌が多い場所ですが、唾液の殺菌力で洗浄されているのです。また、消化酵素も多く含まれています。
つまり、よく噛むことによって唾液を多く分泌させれば、食べ物をおいしく食べられるし、殺菌効果や消化もよくなるのです。また、歯や歯茎も鍛えられ、顎関節症などを未然に防ぐこともできます。

さらにうれしいのは、やせてきれいにもなれることです。空腹感や満腹感といった食欲を感じる部分はお腹ではなく、脳にあります。大脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢がそれ。摂食中枢は空腹感を感じ、満腹中枢は満腹感を感じるところです。食物を消化吸収して血中にブトウ糖が増えると満腹中枢を刺激し、摂食中枢を抑制して満腹感をもたらします。逆に食事後、時間が経過して血中に脂肪酸が増えると空腹感が生じます。食欲は、この2つの中枢のメカニズムによってコントロールされているのです。
ですから、よく噛むことによって唾液中の消化酵素を豊富にしてやれば、比較的少ない食事の量でも血中のブトウ糖が増え満腹感をもたらします。つまりは、少ない食事量なのでカロリー摂取も少なくてすみます。しかも、多く分泌される唾液によって消化にもよいのですから、代謝もよくなり、やせられるというわけです。
このように、噛むということは脳と密接な関係を持っているのです。正しい噛み合わせになるということは、ただ単に見た目の美しさだけでなく、知的な部分も含めさまざまな恩恵を与えてくれるのです。
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