麻酔注射を打ったり歯を削ることもなく、内因性の変色歯や黄ばみの強い歯を白くする治療法はさまざまですが、もしあなたの歯が「ホワイトニング」で治療できるケースであれば、ホワイトニングほど簡単かつ安全に、スピーディーに白さを改善するものはありません。
 ホワイトニング(歯の漂白)はアメリカではかなり以前から行われていました。最初にアメリカで歯の漂白用の薬剤として発表されたのは100年以上前と言われています。1918年には、今の漂白法の基礎となる理論が発表されています。アメリカでホワイトニングがポピュラーなものになったのは、ホームブリーチング(ホワイトニング)システムが1989年に発表されてからのこと。現在でもアメリカではこのホームホワイトニングが愛用され、最近になって、日本の多くの歯科医院でも行われるようになりました。


 ホワイトニングとは、歯の表面を漂白して白くする方法で、歯牙に塗るジェルの成分(過酸化水素)はもともと口腔内の消毒に使われていたものですから安全に歯を白くする事ができます。
 歯の中からの変色や生まれつきの変色など、まだ神経が生きている歯の場合には、歯の表面に薬品を塗って脱色しながら色素を取り除きます。この歯の表面から行なう〈ホワイトニング〉は、変色の度合いによっても違いますが、治療回数はだいたい3〜4回かかります。
 また、それは永久的なものではなく、患者さんによってそれぞれ違いはありますが、約6力月から1年、ケアによっては2年くらいもつ場合もあります。自分の歯の状態をみながら、定期的にホワイトニングを行うことをおすすめします。
 神経が生きていて歯の表面から行なう〈ホワイトニング〉には、歯科医院で行なう〈オフィスホワイトニング〉と、歯科医師の指導によって自宅で行なう〈ホームホワイトニング〉のふたつの方法があります。

●オフィスホワイトニング
 加齢や薬剤により歯列全体が変色している場合や、外傷などが原因で一本の歯や数歯が変色している場合に有効的です。また、一本の歯のごく一部だけに対応することもできます。ほとんどの場合が、治療を受けた直後に、その効果を確認できます。
=一般的な治療手順=
1歯肉へプロテクターを装着する
2歯面の研磨清掃と歯石除去
3薬剤ペーストを1〜2ミリの厚さに塗布する
42〜3分放置する
5レーザーを1分間照射し、反応を完了させる
61分間水洗する

●ホームホワイトニング
 歯科医の指導を受けながら、患者さん自身が歯の色調を明るく改善する漂白法です。自宅などで手軽にできますが、場合によっては通院の必要もあります。

◆こんな方におすすめです!
・ 歯を白くしたい
・歯の色が気になって、人前で思いきり笑えない
・ 痛くなく歯を白くしたい
・大勢の人の前で話さなくてはならない
・年齢につれ歯が変色してきた

◆こんな方はご注意ください
・歯がしみる
・虫歯がある
・咬耗した歯や磨耗した歯
・妊婦または授乳期の女性

●用語解説●
◆歯の漂白のメカニズム
漂白剤のベースには、過酸化水素(H2O2)が含まれている。水(H2O)に酸素原子がひとつ余分に取り込まれた液体で、強い酸化作用を持っている。酸化反応の過程で不安定になった分子は、安定しようとして、有機性着色と結合する。それが、歯の組成組織を結果的に着色の少ないものに変化させ、色調を改善させると考えられている。

◆過酸化水素の安全性
過酸化水素は毒性や副作用などがないため、長年にわたって口腔内の洗浄・殺菌に使用されている。ちなみに身近な書毒剤として知られる「オキシドール」は、3%の濃度の過酸化水素水。

 

松岡浩司院長

1911年
松岡歯科クリニック開業
1986年
日本歯科大学新潟歯学部卒業
1988年
同大学大学院歯科麻酔学在籍
1989年
千葉県船橋市パール歯科医院勤務
1991年
千葉県習志野市ファミリー歯科医院勤務
1995年
松岡歯科クリニック勤務
同クリニック院長就任

●所属団体
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会
名古屋市歯科医師会
名東区歯科医師会
日本歯科痲酔学会

 

 

 

 

レーザーホワイトニング《Q&A》
ホワイトニングに関して、読者からの多い質問に対して、 松岡先生に答えていただきました。

Q:ホワイトニングにもいろいろな種類がありますが、最近話題のレーザーホワイトニングについて教えてください。
A:ホワイトニングは、過酸化水素水を使用して漂白するのですが、熱や光の作用によって、漂白時間を短縮したり、定着期間を延ばすことができます。その役割を担うのがレーザーです。レーザーには、アルゴン、プラズマ、ハロゲン、炭酸ガス・レーザーなどの種類があります。それぞれに特色があります。レーザーというと強力なイメージがありますが、ホワイトニング用のレーザーは、外科などで使用するレーザーメスとは種類が違いますので安心です。


Q:レーザーは、短時間で効果があるのはわかりましたが、どのくらいの白さにまでなるのでしょう?
A:元々、歯の白さは人によって違います。色だけでなく、歯の性質も異なります。歯にも個性があるんです。同じ薬剤を使用しても白くなり方が違うし、長持ちの仕方も変わってくるのです。ですから、必ずしも希望する白さになるとは限りません。また、症状によってはホワイトニングの効果がない場合もあります。そのときはラミネートベニア(P66写真)で治療します。そのことも含めて、治療前には先生とよく話をしてみるとよいですね。



Q:でも、白さの度合いはどうやって決めるんですか?
A:歯は、単純に白ければよいというものではありません。その人の肌色とのバランスも『美しい白い歯』の重要な要素です。治療前には、シェードという歯の色の見本で、どのくらいの白さになりたいのか。そして、その白さがあなたの顔の肌色とマッチするのかなどをよく見比べてみてください。